研究課題/領域番号 |
12640062
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
今野 宏 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (20254138)
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研究分担者 |
西 晴子 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助手 (90274430)
河澄 響矢 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (30214646)
古田 幹雄 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (50181459)
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キーワード | 超ケーラー商 / 超ケーラー多様体 / シンプレクティック商 |
研究概要 |
微分幾何、代数幾何における種々のモジュライ空間のトポロジーを調べることは興味ある問題と思われる。これらの多くはシンプレクティック商、あるいは超ケーラー商として構成されるので、それらのトポロジーを調べることが重要になってくる。実際、シンプレクティック商のトポロジーに関しては、ここ20年ほど、同変コホモロジー論やモース理論が応用され、多くのことがわかってきた。一方、超ケーラー商に関しては、そのトポロジーを調べる方法が十分に開発されておらず、あまり多くのことはわかっていない。というわけで、超ケーラー商のトポロジーを研究している。 超ケーラー商は、ある意味で、3重にシンプレクティック商をとったものなので、そのトポロジーは一見複雑に見える。ところが、前年度までの研究で、可換群による超ケーラー商のコホモロジー環は、通常のシンプレクティック商の場合より単純な構造を持っていることがわかった。 そこで今年度は非可換群による超ケーラー商の研究を始めた。手始めとして、最も単純と思われる具体例を考察した。すなわち、複素直線の余接空間には、超ケーラー構造が入ることが知られているが、その直積のSO(3)による超ケーラー商のコホモロジー環を決定した。この空間は、複素直線の直積のSO(3)によるシンプレクテイック商(多角形のモジュライ空間とよばれる。)を半分次元の部分多様体として含んでいるが、可換群の場合と同様に、コホモロジー環は、超ケーラー商の方がより単純であった。さらに多角形のモジュライ空間はあるパラメータをもっていて、そのパラメータに応じてトポロジーが変化するが、超ケーラー商の部分空間として見ると、その変化の様子が大域的に記述されることがわかった。以上のことを一般の非可換群による超ケーラー商に拡張することが今後の課題である。
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