今年度得られた重要な結果は、多重種数の変形不変性である。即ちTheorem 0.1π:X→Δを単位円盤上の滑らかな射影族とする。 このとき全ての正整数mに対してm-多重種数P_m(X_t)(X_t:=π^<-1>(t))はt∈Δによらない。 この結果は30年以上前に予想されていたが、ごく最近まで、進展のなかった問題である。また、G.Schumacherと共同で、偏極代数多様体のモジュライ空間が、概代数的であることを証明する論文を書き上げた。結果自身は、1年以上前に完成していたが、書き上げるのに時間がかかった。 また、平成13年2月19日から2月22日まで、箱根静雲荘にて「モジュライ空間の幾何学」と題する研究会を開き、充実した情報交換を行うことができた。参加者は18名で、藤木明(阪大)、S.Lu(阪大)、辻元(東工大)、満渕俊樹(阪大)久松真人(東工大)、小林亮一(名大)、並河良典(阪大)、高山茂晴(九大)、野口潤次郎(東大)、Alan Huckleberry(名大)、宮嶋公夫(鹿児島大)、本多宣博(広島大)、松下大介(数理研)、山ノ井克俊(数理研)、吉川謙一(東大)、榎一郎(阪大)、日向隆幸(名大)、二木昭人(東工大)が参加した。
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