研究課題/領域番号 |
12640065
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
山田 耕三 静岡大学, 教育学部, 助教授 (00200717)
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研究分担者 |
宮田 由雅 静岡大学, 教育学部, 教授 (50022207)
大田 春外 静岡大学, 教育学部, 教授 (40126769)
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キーワード | 位相群 / 自由位相群 / 距離化可能空間 / フレッシェ空間 / ススリンプロパティー |
研究概要 |
研究目的の一つである位相空間から生成された自由位相群の位相的性質の研究においていくつかの進展が得られた。位相的性質の基本的なものに、距離化可能性、第一可算性、Frechet-Urysohn property等があるが、離散位相を持たないいわゆる身近に存在している空間(ユークリッド空間等)から生成される自由位相群は、これらの性質を持っていない事はよく知られている。さて、位相空間から生成される自由位相群の要素は、もととなる位相空間の要素やその逆元をn個(nは自然数)並べることによって表されるが、自由位相群の要素でn個以下の長さを持つ要素を集めた自由位相群の部分空間が、上で挙げた性質を持つときの基となる空間の位相的性質が、nの値で分類することができた。特に、「距離空間から生成される自由位相群の長さが5以下の要素を集めた部分空間がFrechet-Urysohn Propertyを持つとき、基となる空間はコンパクトまたは、離散空間になる。」という命題の証明では、単に集合論的位相空間論の手法だけではなく、基となる空間から新たなる空間、さらには新たな位相群(semidirect product)を作り、もとの自由位相群からの連続な準同型写像を構成し証明するという代数学の手法が存分に使われている。このことは、集合論的位相空間の研究において、他分野の数学の画期的な発展を利用しようという、本研究目的の重要な意義を実際に行い成功したという点において大いに意味があると考えられる。また、「集合論的・幾何学的位相空間論とその応用」という題目で、2000年10月に、京都数理解析研究所で研究集会を開催し、その研究集会においてもいろいろな成果を発表していただくことができたが、本研究目的の一つである「M_3=>M_1問題」について新たな成果が溝上氏(上越教育大学教授)によって発表され、来年度に向けてその研究を行いたいと考えている。
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