研究課題/領域番号 |
12640065
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
山田 耕三 静岡大学, 教育学部, 助教授 (00200717)
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研究分担者 |
SHAKHMATOV Dmitri 愛媛大学, 理学部, 教授 (90253294)
宮田 由雅 静岡大学, 教育学部, 教授 (50022207)
大田 春外 静岡大学, 教育学部, 教授 (40126769)
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キーワード | 位相群 / 自由位相群 / k-空間 / 商写像 / 距離空間 |
研究概要 |
研究目的の一つである、位相空間から生成された自由位相群の位相的構造の研究においていくつかの進展が得られた。位相空間Xから生成される自由位相群の要素は、もととなる位相空間の要素やその逆元をいくつか並べることによって表現されるが、自由位相群の要素でn個以下の長さを持つ要素を集めた自由位相群の部分空間をF_n(X)で表すことにする。するとF_n(X)はXとX^<-1>と単位元をあわせた空間をn乗した積空間からの自然な写像i_nの連続像で表される。自由位相群の位相構造は非常に複雑であることはよく知られている。例えば、収束点列とその収束点からなる簡単な構造を持つ空間から生成された自由位相群は、もはや第1可算公理を満たさない。一方、自由位相群F(X)の部分集合Uが、各nにおいてi^<-1>_n(U∩F_n(X))が開集合になるとき、UをF(X)の開集合であると決めるF(X)上での位相構造はとても単純でわかりやすい。そこで、自由位相群の位相構造の研究が始められた1940年代からすでに、いつ自由位相群の位相構造がこの単純な位相構造と一致するかが研究されてきた。これまでいくつかの部分解は得られてきたが、例えば私は、距離空間Xから生成された自由可換位相群がこの単純な位相構造を持つためのXの必要十分条件を得た。以来、非可換群についても、同様の研究を行ってきたが解決のためのアイデアがなく今日に至ってきた。しかしながら今回、Uspenskiiが開発した自由位相群の単位元の近傍基の構成法を用いることによって、距離空間から生成される非可換な自由位相群が上の単純な位相構造を持つための必要十分条件を得ることができた。この近傍基の構成法は、今回の研究目的の一つである。「M_3⇒M_1」問題においても活用できるのではないかと期待している。
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