研究課題/領域番号 |
12640066
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
太田 啓史 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (50223839)
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研究分担者 |
土屋 昭博 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (90022673)
佐藤 肇 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (30011612)
小林 亮一 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (20162034)
深谷 賢治 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30165261)
南 和彦 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (40271530)
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キーワード | シンプレクティック幾何 / フレアーホモロジー / ミラー対称性予想 / アーノルド予想 / ラグランジアン多様体 / 単純特異点 / シンプレクティックフィリング / 接触構造 |
研究概要 |
1)単純特異点のまわりにあらわれる3次元接触多様体のシンプレクティックフィリングのトポロジーについて、モノポール方程式とJ正則写像の理論を用いて更に強い結果を得た。既にその交叉形式の制約結果は得ており、特にE_8型の特異点の場合極小シンプレクティックフィリングの交叉形式はE_8に限ることはわかっていたが、今回は極小シンプレクティックフィリングの交叉形式のみならず位相型まで一意であることがわかった。これは研究分担者の一人である北海道大の小野薫氏との共同研究である。 2)ラグランジアン交叉のフレアーコホモロジーが定義できるための障害理論を構築した。また、ラグランジアン部分多様体Lに対し、J正則写像を用いて、フィルター付きA_∞代数を構成した。これはLの有理ホモトピー型を記述する次数付き微分代数の量子変形を与える。これを用いて、障害理論および、ラグランジアン部分多様体やフレアーコホモロジーの変形理論をA_∞代数の言葉で記述した。更にこれらをラグランジアン交叉に関するアーノルド予想、アーノルド・ジベンタール予想や、マスロフ指数予想など具体的問題に応用した。特に今年度においては、変形空間を代数的に構成し(それは以前幾何学的に構成したものと一致する)、それから、変形空間を記述する倉西写像が構成できたことは大きい成果である。この結果は弦理論から予見されるホモロジカルミラー対称性予想の見地から見ると大きな進歩であると考えられる。以上は研究分担者である深谷賢治(京都大)、小野薫(北海道大)およびヨン・ギュン・オー(ウイスコンシン大)氏との共同研究である。
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