研究分担者 |
藤井 道彦 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (60254231)
西和田 公正 京都大学, 総合人間学部, 教授 (60093291)
加藤 信一 京都大学, 総合人間学部, 教授 (90114438)
浅野 潔 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (90026774)
櫻川 貴司 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (60196136)
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研究概要 |
研究代表者の上は3,4次元多様体の幾何構造の存在がもたらす微分同相類への制限を種々の不変量,特にSeiberg-Witten理論に由来する不変量を通じて追求した.古田幹雄,福本善弘と共同でホモロジー3球面のW不変量を研究し,ザイフェルトホモロジー3球面に対してこの不変量がNeumann-Siebenmann不変量と一致すること,ある種の制約のもとでこれがホモロジーコボルディズム不変であることを証明した結果をふまえて,4次元V多様体のすべての孤立特異点からのディラック作用素の指数に対する寄与を決定した.この寄与自身は3次元球面多様体とその上のスピン構造の組に対する不変量である.その応用として,3次元球面多様体を境界とする定値スピン4次元多様体の交叉形式に対する制約条件を得た.またそのような定置スピン4次元多様体の存在と交叉形式の一意性に関する部分的結果も得られた.さらに4次元多様体に埋め込まれた射影平面の正則オイラー類の満たす新たな条件が得られた.以上の結果はより広い範囲の3次元多様体に対し適応し得る可能性を持ったものであり,Atiyah-Patodi-Singer不変量を介した上記の不変量と3次元の他の不変量との関連の追求が次の課題として浮かび上がってきている.また研究分担者の藤井は特異点集合が単純閉曲線と同相となる成分のみをもつ、3次元双曲錐多様体を考察し,特異点集合の管状近傍における調和1形式を記述する上で鍵となる調和ベクトル場の満たすべき連立常微分方程式を解くことに成功した。この連立常微分方程式はRiemannの微分方程式を組み合わせて解けるので、解がGaussの超幾何函数を用いて具体的に記述されることが分かる。
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