研究概要 |
本年度研究代表者の小林は佐伯修氏との共同研究で得た,Rubinstein-Scharlemann graphicのorbifold versionの理論を更に発展させる事により,以下のような結果を得た.以下ではγを三次元多様体Mにproperに埋め込まれた1次元多様体とする. 1.対(M,γ)のorbifold Heegaard splittingに対してHaken型の定理を証明した.即ちMがγ-既約であるなら,(M,γ)の任意のHeegaard splittingはweakly reducibleであることを示した.尚この結論においてweakly reducibleをreducibleに置き換えることができないことを具体的に例を与えることによって示した. 2.三次元多様体内の結び目のorbifold Heegaard splittingに対するCasson-Gordon型の定理を証明することに成功した. 3.上記の結果と,以前に行った2橋結び目のトンネルの分類の手法と結びつけることにより,2橋結び目の外部空間のHeegaard分解の完全な分類に成功した. なおこの結果に関してはプレプリント"Heegaard splittings of exteriors of two bridge knots"としてまとめられており,http://front.math.ucdavis.edu/よりmath.GT/0101148として入手可能である. また研究協力者の落合は種数2のHeegaard分解を調べる為に,種数2の閉曲面の自己同相写像が与えられたときにそれを標準的なDehn twistの積に分解するアルゴリズムを与えた.
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