研究課題/領域番号 |
12640073
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
勝田 篤 岡山大学, 理学部, 助教授 (60183779)
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研究分担者 |
島川 和久 岡山大学, 理学部, 教授 (70109081)
田村 英男 岡山大学, 理学部, 教授 (30022734)
酒井 隆 岡山大学, 理学部, 教授 (70005809)
竹内 博 四国大学, 経営情報学部, 教授 (20197271)
池田 章 岡山大学, 教育学部, 教授 (30093363)
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キーワード | ランダムウォーク / べき零群 / スペクトル逆問題 / グロモフハウスドルフ収束 |
研究概要 |
本年度は、主に、有限グラフのべき零被覆のランダムウォークの漸近挙動および一般化されたゲルファントスペクトル逆問題の安定性について継続研究を行った。 前者について:熱核やランダムウォークの漸近挙動は、確率論や大域解析において関心をよび、様々な研究がされてきている。ここでは、無限グラフで群の作用という対称性を持つ場合について考察している。群がアーベル群の場合は多くの研究、例えば白井、小谷、砂田らによる表現論(フーリエ展開)の、非可換化をめざしての研究である。方針は、離散べき零群をべき零リー群の格子として埋め込み、そのリー群の表現論、準古典解析およびChenの反復積分を用いて調べるというものであるが、多分野にわたる様々な概念が必要でその修得に時間がかかっているため、現状では、ブーケグラフの被覆について結果が得られているのみであり、ひき続き、研究を要する。尚、以上とは別の方法でAlexopoulos,石渡らが中心極限定理を得ているが、我々の方法は精密化や双曲力学系における閉軌道の分布等の他の問題への適用の可能性という点で利点があると考えている。 後者については、Y.V.Kurylev(ローボロ大)、M.Lassas(ネバンリンナ研究所)との数年来の共同研究である。一般化されたゲルファントスペクトル逆問題とは、境界付きリーマン多様体に対し、そのリーマン計量を再構成する問題であるが、その安定性について調べている。これまで、断面曲率の上下からの評価等の有界幾何の範囲での肯定的結果を得ていた。今回、これらの結果のサーベイをまとめる折りに、上記仮定をはずした場合の安定性に関する反例をいくつか構成し、今後の問題への展望について考察した。 以上の他、酒井は、曲率と位相構造、田村、磁場での散乱理論、島川は配意空間の位相構造の研究、竹内はグラフ上のP-ラプラシアン等について研究した。
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