研究分担者 |
梅原 雅顕 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90193945)
太田 啓史 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (50223839)
粟田 英資 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (40314059)
安井 幸則 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30191117)
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研究概要 |
特殊ホロノミー多様体の幾何学として重要なミラー対称性に関連する研究として,Hirzebruch曲面F_2およびそれをblow upして得られる代数曲面に対して局所ミラー対称性を適用すると,S^1上にコンパクト化した5次元超対称ゲージ理論のプレポテンシャルを導く楕円曲線の族が得られることを示した.この結果により,超対称ゲージ理論のプレポテンシャルのインスタントン展開に関するミラー対称性からの新しい見方が得られた.また,この結果は5次元超対称ゲージ理論が,有理楕円曲面の幾何学や楕円型単純特異点の理論と深い関係があることを示している. 特殊ホロノミー多様体の幾何学のなかでM理論から4次元および3次元のN=1超対称性を得ることができるという理由から,例外型のホロノミー群であるG_2とSpin(7)の重要性が増している.例外型ホロノミーをもつ計量の構成に関する研究を行った.具体的には,等質空間SU(3)/U(1)を主軌道とする余等質性1のリーマン多様体を仮定しSpin(7)計量を構成した.この計量は,物理的にはSpin(7)多様体内に超対称サイクルとして実現されているCP^2がつぶれて出来る孤立錐上特異点近傍の計量を記述していると期待されるものである.特に無限遠で漸近的に有限半径の円周S^1が残る新しいタイプの計量を見つけた.さらにSpin(7)計量としての変形の可能性をベキ級数展開の範囲で議論した.これらの計量は4次元重力インスタントンにおけるTaub-NUT計量やAtiyah-Hitchin計量の高次元化に相当するものでありM理論のコンパクト化への応用が期待できる.
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