研究分担者 |
宮澤 康行 山口大学, 理学部, 助手 (60263761)
内藤 博夫 山口大学, 理学部, 教授 (10127772)
安藤 良文 山口大学, 理学部, 教授 (80001840)
佐藤 好久 山口大学, 教育学部, 講師 (90231349)
渡辺 正 山口大学, 教育学部, 教授 (10107724)
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研究概要 |
1933年に証明されたBorsuk-Ulamの定理は位相幾何学における古典的な定理であるが,今なお多くの研究者の関心を惹く定理である。多方面への広がりを求める一般化,より精緻な結果を求める精密化,そしてこれらの結果の応用など,位相幾何学の研究者だけにとどまらず,微分方程式の研究と関連して解析学の研究者たちも関心を寄せる定理である。 Gを一般にコンパクトLie群とし,U,WをGの線形表現,これらの単位球面をSU,SWと表すとき,G同変写像:SU→SWは常に存在するとは限らない。Gが位数2の巡回群の場合,このようなG同変写像が存在するための必要十分条件を与えるのが古典的なBorsuk-Ulamの定理である。 本研究においてはGがコンパクトアーベル群の場合を考察し,G同変写像:SU→SWが存在するための必要条件を,Gの表現環R(G)におけるU,Wのオイラー類に対する関係式として表した。この結果を利用してSUとSWが同一次元の場合,これらの間のG同変写像の写像度に関する関係式を求めた。さらにこのことより,Gが連結であればG同変写像の写像度は一意的に定まることを示した。この種の研究においてはこれまではBorelコモロジー理論を援用するのが,一般的であったが,本研究においては同変K理論を援用した。そしてBorelコモロジー理論より同変K理論の方がより強力であることを実証した。 また,各研究分担者によりこれらの周辺問題に対する多くの関連成果も得られた。
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