研究概要 |
π:X→P^2を射影平面のガロア被覆とし、λ:X^^〜→XをXの特異点解消としたとき、仮定λの例外集合の既約成分はすべて有理曲線のもとにXの不正則数q=dimH^1(X^^〜,0)を調べ以下の結果を得た。 命題Xが有理曲線を含めば、q=0. 命題πのガロア群のすべての部分群が正規部分群ならば、q=0.従って、特にπがアーベル被覆ならば、q=0. 定理πのガロア群が位数が奇素数の2倍の二面体群ならば、qはp-1の倍数である。 定理q≠1である。またq=2ならば、πのガロア群は単純群および次数5以上の対称群ではありえない。 また、射影空間からそれ自身へのガロア被覆の同型類を分類せよという問題を考察し、次の結果を得た。 d, nを2以上の整数とする。nが奇数のときk=(n+1)/2,偶数のときk=n/2とする。 ω_i : P^1∋[z_0:z_1]〓[u_i(z_0,z_1):v_i(z_0,z_1)]∈P^1(i=1,2,...,k) を次数dのガロア被覆とする。P^nからそれ自身への正則写像ω:P^n→P^nをnが奇数のとき ω([z_0:z_1:…:z_<2k-1])=[u_1(Z_0,Z_1):v_1(Z_0,Z_1):…:u_k(Z_<2k-2>,Z_<2k-1>):v_k(Z_<2k-2>,Z_<2k-1>], nが偶数のとき ω([z_0:z_1:…:z_<2k>)=[u_1(z_0,z_1):v_1(z_0,z_1):…:u_k(z_<2k-2>,z_<2k-1):v_k(z_<2k-2>,z_<2k-1>)]:z^d_<2k>と定義する。 定理ωはガロア被覆である。 定理ガロア被覆π:P^n→P^nのbranch locusが超平面からなるとき、πは上記のようにして得られるものと同値である。
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