研究概要 |
代表者は研究期間中、結び目や多様体の不変量として現れる整数論的関数、特に一般デデキント和(Dedekind symbol)を主な対象として研究を進めてきた。そして一般デデキント和が保型形式と一対一に対応するという結果を基礎に、その和の性質を調べてきた。その中で第一の成果と言えるものは、一般デデキント和の理論を捩じれをもった場合に拡張した論文"Twisted generalized Dedekind symbols, Shinji Fukuhara, J. Number Theory 82 (2000) 47-78"である。二番目の成果としては、トーラスのトポロジーと相互法則が深く関連することを示した共著論文"Non-commutative polynomial reciprocity law, Shinji Fukuhara, Yukio Matsumoto, Noriko Yui, Internat.J.Math.12 (2001) 973-986"である。 第三の成果は、ヤコビ形式が与えられると、そこから系統的に一般デデキント和が得られることを発見したことである。結果は論文"Dedekind symbols associated with J-forms and their reciprocity law, Shinji Fukuhara, J. Number Theory 98 (2003) 236-253"に発表した。さらに結び目理論への応用として、2橋結び目のコンウエー多項式の係数に一般デデキント和が現れるという結果を、論文"Explicit formulae for two-bridge knot polynomials, Shinji Fukuhara, To appear in J.Austral.Math.Soc."にまとめた。 研究分担者も、結び目のバシリエフ不変量が局所変形でどう変化するかを調べ、その結果を論文"SC_n-moves and (n+1)-st coefficients of the Conway polynomials of links, Haruko Aida Miyazawa, preprint"にまとめ発表した。
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