研究概要 |
(1)「擬フックス群からなる列{Γn}^∞_<n=1>の幾何的極限Gに対して,H^3/Gはどのような位相型をもつか?」という問題に対して,前年度までの研究で一応の結果が得られた.本年度は,その証明を修正・精密化し,論文としてまとめた. (2)3次元閉多様体M上のリーマン計量から誘導された普遍被覆空間M^^~上の計量rをコ・コンパクト計量という.前年度は,Mが双曲多様体に同相であるときを考えた.このとき,M^^~=H^3の境界である無限遠球面S^2_∞上の滑らかな単純閉曲線lが任意に与えられたならば,lはH^3に固有に埋め込まれたr-最小面積平面を張ることを証明した.今年度の研究では,この結果を,基本群π_1(M)がグロモフ群であるような多様体の場合に一般化できた.すなわち,境界θM^^~上の任意のジョルダン曲線は,M^^~に固有に埋め込まれたr-最小面積平面を張ることが証明できた. (3)桐木紳氏(東京電機大学理工学部)との共同研究により,ある種のローレンツ・アトラクタは媒介変数シフト的追補性質(parameter shifted shadowing property)をもつことを証明した.
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