研究概要 |
今年度の主な研究対象は同相群およびその部分群の構造についてである。 (1) G-多様体の同変微分同相群Diff^∞_G(M)の1次元ホモロジー群を考察し、次の結果を得た。 定理1.GをコンパクトLie群、Mを余次元1軌道をもつG-多様体とする。このとき、 H_1(Diff^∞_G(M))〓R^2×H_1(((N(H)∩N(K_0))/H×(N(H)∩N(K_1))/H)_0). (2) リプシッツ同相群の構造について次の結果を得た。 定理2.リプシッツ閉多様体Mのリプシッツ同相群H_<LIP>(M)は局所可縮かつ完全である。 定理3.GをコンパクトLie群、Mをリプシッツ閉多様体B上の主G束とする。このとき、同変リプシッツ同相群H_<G,LIP>(M)はdim B>0に対して完全である (3) 葉層を保つリプシッツ同相群の構造について次の結果を得た。 定理4.Fを余次元1C^2-葉層とする。Fがdenseな成分を持たず、Reeb成分を有限個しか持たないとすると、Fを保つリプシッツ同相群H_<LIP>(M,F)は完全である。 定理5.Fを余次元1C^2-葉層とする。Fがdenseな成分Sを持ち、そのlinearization写像hが絶対連続でないなら、H_<LIP>(S,F|s)は葉を保つリプシッツ同相群H_<LIP,L>(S,F|s)と一致する。また、hが絶対連続なら、H_1(H_<LIP,L>(S,F|s))≠0である。特に、FをT^n上のω=Σa_idx_iで定義される葉層とし、a_i/a_jの1つが無理数なら、H_1(H_<LIP>(M,F))〓R/a_1Z+…+a^nZ. 定理4は同相群と同様な現象であるが、定理5の現象は同相群と本質的に異なる。
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