研究課題/領域番号 |
12640095
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
成木 勇夫 立命館大学, 理工学部, 教授 (90027376)
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研究分担者 |
藤村 茂芳 立命館大学, 理工学部, 教授 (30066724)
中島 和文 立命館大学, 理工学部, 教授 (10025489)
石井 秀則 立命館大学, 理工学部, 教授 (60159671)
加川 貴章 立命館大学, 理工学部, 助教授 (90298175)
新屋 均 立命館大学, 理工学部, 教授 (70036416)
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キーワード | 楕円曲面 / 単純群主束 / デル・ペッツォ曲面 / q-量子化 / モジュライ / テータ関数 / 熱方程式 / GBS-理論 |
研究概要 |
楕円曲面上の単純群主束の研究は、その最も興味ある場合すなわちE型例外群の主束の場合にはデル・ペッツォ曲面のq-量子化の研究に帰着される。本年度の研究では、この量子化の実現が個々の曲面に対してその上を動く反標準因子を、因子のパラメーター空間上の適当な直線束の切断を係数とするワイヤストラス型方程式で表現することによって実行された。すなわち量子化はこの方程式に対して楕円曲線のモジュライであるqを拘束することによって定まるのである。この際、本来のデル・ペッツォ曲面はこのような変形のq=0のときの極限として回復される。このようなq-量子化の具休化によりqが一般の値であるときの、このような変形曲面の基本的な幾何学的不変量(ホッジ数など)が計算され、変形曲而の混合ホッジ構造を明らかにする手懸かりが得られたのである。すなわちトレリ問題、全変形空間の中でのq-変形の特徴付などの重要目標への第一歩が踏み出されたのである。これに留まらず、この方法により変形曲面のクンマー曲面、アーベル曲面などへの近親性(ある種の代数的対応関係)が認識されたことの意義は大きい。すなわち曲面のモジュライ空間上にテータ関数の加群層の構成される可能性が発生し、さらにこの加群層はモジュライ上のラプラシアンに付随する熱方程式の解層となっていると予想される。そして、この予想を解くことによって当初のGBS-理論への回帰がはじめて可能となるのである。
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