研究概要 |
空間内に埋めこまれた結び目,絡み輪等の幾何学的性質について研究を行い,計算機による研究支援環境の整備を行った. 空間内の結び目等に対しては,その埋め込みの近傍を取り除き,取り除いたものを再び(異なった)張り合わせ写像により埋めこむという手術と呼ばれる操作が可能となる.この手術により得られる多様体は,元の結び目の幾何学的性質がよく反映されていることが期待される. 本研究ではbanded knotと呼ぶ結び目を定義した.これは従来のリボン結び目を一般化したものと考えることができる.リボン結び目については,これに関する手術により空間は変化しないことが知られている.このbanded knotについては次のことを明らかにすることができた. 1.Banded knotについて,結び目に関する手術が幾何学的に単純な構成により得られることを解析した.これは特に4次元内での結び目の結び目解消数を表わしているとも考えられる. 2.banded knotについての構成するための各成分での手術と,そのbanded knotでの手術とを比較することができ,これら2つの多様体が変化しないことを証明することができた. 3.上記の結果をリボン結び目の場合に適用することにより,すでに1960年代に知られていたGluckの結果の別証明を与えることができた. 計算機の利用のためには,サーバーソフト類のインストールについての初期設定をほぼ行うことができた.このため,研究成果公表,研究連絡用メーリングリスト等をネットワークを通じて行うための準備の第一段階を済ませることができたといえる.
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