研究課題/領域番号 |
12640097
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
黒瀬 俊 福岡大学, 理学部, 助教授 (30215107)
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研究分担者 |
山田 光太郎 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (10221657)
井ノ口 順一 福岡大学, 理学部, 助手 (40309886)
陶山 芳彦 福岡大学, 理学部, 教授 (70028223)
松添 博 佐賀大学, 理工学部, 助手 (90315177)
古畑 仁 北海道大学, 大学院・理学研究科, 講師 (80282036)
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キーワード | アフィン微分幾何 / 可積分系 / 情報幾何 / 統計多様体 / 極小アフィン超曲面 / 極小中心アフィン曲面 / CMC曲面 / HIMC曲面 |
研究概要 |
初年度である平成12年度は、研究の主対象である古典的幾何・研究手法としての可積分系の理論・応用対象の情報幾何のそれぞれについて、相互に連絡を取りつつも個々の分野の進展をまずは重視し、次のような成果を得た。 1.古典的幾何 主としてアフィン幾何・射影幾何について、個別にあるいは共同して研究を行い、極小アフィン超曲面・余次元2の極小中心アフィンはめ込みの内的な特徴づけ、球面の標準的なアフィン接続の特徴づけ、二つの中心アフィン曲線による余次元2の極小中心アフィン曲面の構成法などについて新たな結果を得た。また、3次元双曲型空間の定平均曲率曲面の分類理論や非コンパクト対称空間の曲面論において新しい知見を与え、3次元等質空間の曲線と曲面の研究について非常に具体的かつ包括的な理論を展開した。 なお、メビウス幾何やラゲール幾何についても調査を開始しており、今後の研究において現代化をはかる予定である。 2.可積分系の理論 幾何学に現れる可積分系として、3次元のリーマン空間型およびローレンツ空間型における(空間的)曲面で平均曲率の逆数が調和関数になるものをとりあげ、総合的な理論を展開した。また、もう一つの対象として、4次元球面内の超曲面で共形平坦かつすべての主曲率が異なるものについて研究し、カルタン以来の懸案であった、完全な分類と具体的構成を果たした。 3.情報幾何と統計多様体 複素統計多様体を定義し、アフィン微分幾何や情報幾何(特に量子推定理論)との関わりについて研究し、いくつかの基本的だが興味深い結果を得た。また、統計多様体の接束が自然な方法でノルデン計量を持つ複素多様体となることを示し、統計多様体の幾何学に新たな知見を与えた。
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