研究概要 |
weak Freese-Nation property(WFN)の研究は,研究代表者の平成9〜11年における科学研究費補助による研究を中心として,研究代表者とS. GeschkeおよびL. Soukupとの共同研究により押し進められてきたが,その後,今世紀に入ってから,A. Dow & K. P. Hartによる(N_1,N_0)-iedal propertyや,I. Juhasz & K. Kunenによる,SEPなど,weak Freese-Nation propertyを弱めた幾つかの条件が提案され,それらについての研究が始まった.このような背景のもとで,研究代表者と海外共同研究者の一人であるS.Geschkeは,従来P(ω)がWFNを持つ,という条件のもとで証明されていた命題の多くが,既にP(ω)がSEPを持つ,という仮定から導けることを示し,SEPの見通しの良い特徴付けを与えることに成功した.なお,この方向の研究では,平成14年になってから,S.Shelahにより,SEPをさらに弱めた条件からJuhasz-Soukup-SzentmiklossyのC^s(N_2)が導けるという全く予想外な結果が得られており,これを契機として,さらに新しい展開の可能性が見えてきているように思われる. 本研究の研究分担者の一人である,Brendleは,ShelahによるHeckler forcingの新しいiterationの方法を改良して,almost disjoint numberの共終数に関する新しい結果を得たが,この研究に触発されて,研究代表者は,海外共同研究者のS. GeschkeおよびL. Soukupとの共同研究において,maximal almost disjoint familyのサイズのスペクトルムや,almost disjoint familyをmaximalなものに拡張するのに必要な集合の数に関する基数不変量などを導入し,これらについての研究を行なった. 以上のようなテーマの他,本研究の枠内で,部分関数の連続性,club principleのvariations,強制法の反復の理論などに関する研究も行われた. また,研究分担者のBrendleと宮元は,2002年1月,独逸Oberwolfach数学研究所における集合論の国際学会において,関連する研究結果の発表を行っている.
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