研究課題/領域番号 |
12640103
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
小池 茂昭 埼玉大学, 理学部, 助教授 (90205295)
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研究分担者 |
新居 俊作 埼玉大学, 理学部, 助手 (50282421)
桜井 力 埼玉大学, 理学部, 助教授 (40187084)
辻岡 邦夫 埼玉大学, 理学部, 教授 (30012412)
石井 仁司 早稲田大学, 教育学部, 教授 (70102887)
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キーワード | 粘性解 / 退化楕円型方程式 / 一様楕円型方程式 / 完全非線形方程式 / 変分問題 / ハルナック不等式 / 数理ファイナンス / 最適制御 |
研究概要 |
(1)通常のp-ラプラス作用素を含んだ退化楕円型方程式がオイラー方程式として現れる変分問題において、最小元のp→∞での極限は、∞-ラプラス作用素を含んだ退化楕円型方程式を満たす事が、Aronssonによって示され、粘性解としての一意性等がJensenによって研究された。ここでは、エネルギー汎関数として位相的に同値な別のエネルギー汎関数の変分問題を考え、p→∞での極限関数を対応するオイラー方程式の一意的な粘性解として特徴づけた(石橋氏との共同研究)。 特に、満たすべき極限方程式が強い不連続性を持つため、一意性の証明には領域の凸性が必要であった。 (2)完全非線形二階一様楕円型方程式のL^p-粘性解がCafferelli等によって導入されたが、非線形性に関しては一次増大度しか扱われていなかった。ここでは、解の存在が保証されるクリティカルな非線形性(|Du|^2の増大度)以下であれば、L^p-粘性解のL^∞評価を仮定すれば、一様なヘルダー連続性の評価が得られる事が示せた(高橋氏との共同研究)。 更に、クリティカルな非線形(|Du|^2の増大度)の場合(Trudinger氏との共同研究)や、L^∞評価が得られるための十分条件(Swiech氏との共同研究)について研究を進めている。 (3)数理ファイナンスに現れる非線形退化・特異係数をもった楕円型方程式の古典解の存在と最適制御(ポートフォリオ)の構成を(森本氏との共同研究)研究している。 特に、オブスタクル(障害)を持ったベルマン方程式になるため通常は古典解は期待できないが、方程式の特徴を用いて導く方針である。
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