研究概要 |
数学のいろいろな分野で扱う数式を項と呼び,その全体を項代数と呼ぶ.項代数の上で定義される関数の計算可能性を考えることは,コンピュータを使って数学の研究を行う場合に検討しておかなければならない基本的な問題の一つである.我々はこの問題に対する一つのアプローチとして,それらの関数の中で,特に単純型理論の枠組みの中で表現可能な関数の全体が,原始帰納法と似た(ただし,それよりも弱い)新しい概念を導入することにより特徴付けることに成功し,その結果を国際学術雑誌に発表した. また,1997年に東京工業大学で開催した国際研究集会「Theories of Types and Proofs」の論文集が諸般の事情から予定より大幅に遅れて2002年春に出版された.この国際研究集会では,国内外から参加した研究者による型理論と証明論に関する優れた論文が発表され活発な議論が行われた.また,この研究集会を通じて国内外の研究者が親しく交わる機会が与えられたことは,特に我国の若手の研究者にとって有益であった.
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