研究分担者 |
真次 康夫 信州大学, 理学部, 教授 (60020682)
服部 久美子 信州大学, 理学部, 助教授 (80231520)
本田 勝也 信州大学, 理学部, 教授 (50109302)
渡部 俊朗 会津大学, 総合数理科学センター, 講師 (50254115)
佐藤 健一 名古屋大学, 名誉教授
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研究概要 |
1.確率過程の中でLevy過程を特徴付ける条件は,独立増分性,増分の不変性,確率連続性,見本関数の第一種不連続性である。近年はこれらの条件の全部または一部を満たしながら,確率過程の径数空間を実数直線(または区間)から,いろいろな半順序集合に一般化する研究が進んでいる。このような研究としては,森俊夫氏による径数空間がユークリッド空間の場合の線形加法的確率場の研究,および佐藤健一氏,竹中茂夫氏,および井上和行らによる最近の一連の研究がある。佐藤氏はN次元ユークリッド空間の第1象限を径数空間とする,N径数d次元Levy過程に対して,従属操作の下での分布の自己分解可能性の遺伝問題を扱っている。N径数d次元Levy過程の構造を完全に決定する問題は未解決である。また佐藤氏はこの議論を広げて,径数空間が一般に錐(コーン)である場合にLevy過程の定義を拡張することの可能性,および錐に径数をもつたたみこみ半群と対応するLevy過程との関係について考察している。竹中氏は時間的曲線上で増分が独立となるような線形加法的確率場を考察している。井上は,昨年度に非Gauss型の場合にN径数d次元Levy過程を無限分解可能ランダム測度を用いて構成する問題を扱った。今年度はこれをGauss型の場合にも行い,実際にN次元空間の動径方向に不変な測度とd次正定符号行列値関数から決まるGauss型ランダム測度を用いて構成されることを示した。 2.ダムの確率モデルについては,非加法的な流入を伴うダムの確率過程に付随するMarkov連鎖を,一般的な放流率関数の下で考察している。これは在庫過程に関する山里眞氏の最近の研究結果も参考にしながら引き続き取り組んでいる。
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