研究概要 |
1.連続関数の拡張問題において,C^*-embeddedであるがC-embeddedでない閉部分集合を含む位相空間を構成することは重要である。特に,そのような位相空間の中で,第1可算公理をみたす空間が存在するかという問題は興味深い。この問題に対する部分解として,次の結果を得た。以下,位相空間Xが性質(C^*=C)を持つとは,Xの任意のC^*-embedded閉集合がC-embeddedであることを意味する。 (1)弱正規でない完全正則空間の正則開集合が作るブール代数のストーン空間は性質(C^*=C)を持たない。 (2)各点がG-delta集合であるような完全正則空間で性質(C^*=C)を持たない空間が存在する。 (3)性質(C^*=C)を持つ空間とコンパクト・ハウスドルフ空間の直積は必ずしも性質(C^*=C)を持たない。 (4)2つの可算コンパクト空間の直積は必ずしも性質(C^*=C)を持たない。 (5)Tychonoff Plankは性質(C^*=C)を持つ。特に,任意のC^*-embedded集合はP-embeddedである。 (6)Niemytzki Plane NPは性質(C^*=C)を持つ。特に,任意のC^*-embedded集合はP-embeddedである。また,NPのC-embedded集合とz-embedded集合を決定した。 2.局所コンパクト空間Y上の無限遠で0に近づく連続関数全体が作るBanach空間をC(Y)で表す。連続関数の拡張問題に関連して,C(Y)への写像の上半連続性と下半連続性を定義し,次の結果を得た。ハウスドルフ空間Xがパラコンパクトであるためには,任意の空間Yと任意の上半連続写像f:X→C(Y)に対して,連続写像g:X→C(Y)が存在してXの各点xに対してf(x)≦g(x)が成り立つことが必要十分である。
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