研究分担者 |
築地 立家 名古屋大学, 大学院・人間情報学研究科, 助手 (70291961)
松原 洋 名古屋大学, 大学院・人間情報学研究科, 助教授 (30242788)
小澤 正直 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (40126313)
江田 勝哉 早稲田大学, 理工学部, 教授 (90015826)
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研究概要 |
弱い数学的帰納法の公理S_2の超準モデルのendextensionと多項式時間計算量の分離問題,例えばP≠NP,P≠PSPACEなどとの関係について調べた.Nをペアノの公理の超準モデル,n∈N-Nとする.nの多項式時間計算関数関数に関するの閉包(the polynomial time closure of n)PTC(n)は,P=NPを仮定するとS_2のモデルになる.一方PTC(n)はΣ^b-PINDを満たすようなendextensionを持たないことが示された.従って,任意のS_2のモデルがS_2を満たすendextensionを持つことを示せば,P≠NPが証明されたことになる.通常の数学的帰納法の公理であるPA(ペアノの公理)の場合は,PAのモデルはPAのモデルになるようなendextensionを持つことが数多くのの方法(internal ultrapower, omitting type theorem, recursive sat uraton等)で証明されているが,これらの方法はいづれもそのままではS_2の場合には適用できないので,種種の改良を試み以下のような結果を得た.S_2のモデルMが多項式時間計算可能関数に関して閉じていれば積を除く言語のMのendextensionを持つ.さらにMが多項式サイズ計算可能関数に関して閉じていればこのendextennsionは積に関しても閉じておりS_2^oを満たすことが証明された.Σ^b-PINDを満たすための条件についても調べたが有用な結果は得られなかった.またこれらの結果を有界なoracleによる相対化した場合についても調べ,それらを計算量理論に応用し,logspace-oracleという新しい概念がこの問題に深く関わっていることがわかった.
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