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2001 年度 実績報告書

確率解析とその微分作用素の解析への応用

研究課題

研究課題/領域番号 12640117
研究機関名古屋大学

研究代表者

松本 裕行  名古屋大学, 大学院・人間情報学研究科, 教授 (00190538)

研究分担者 植村 英明  愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (30203483)
井原 俊輔  名古屋大学, 情報文化学部, 教授 (00023200)
伊藤 正之  名古屋大学, 情報文化学部, 教授 (60022638)
上木 直昌  京都大学, 大学院・人間環境学研究科, 助教授 (80211069)
キーワード幾何ブラウン運動 / レヴィの定理 / ピットマンの定理 / 熱核 / グリーン関数 / 双曲空間 / ウィナー汎関数
研究概要

幾何ブラウン運動の時間に関する積分によって定義されるウィナー汎関数は数理ファイナンス,双曲空間上の解析において重要な役割を果たす.そのブラウン運動との結合分布はYORの公式として知られているが,さらに進んで応用する場合には,類似の指数型汎関数をもう1つ考えて3次元の同時分布の形が必要になる.その具体形がラプラス変換の形で求まることを示し,以前の研究ではできなかったマースのラプラシアンの熱核の具体形の計算,数理ファイナンスのあるモデルへの応用などとともに発表した.
さらに上の結果を応用して,実双曲空間だけでなく,複素数,四元数に対応する双曲空間上の熱核およびグリーン関数の具体形を示すことに成功し発表した.熱核は実双曲空間上の熱核の積分によって,またグリーン関数は特殊関数を用いて具体的に書けることが分かった.表現論への応用,調和解析との深い関連があると思われるが,結果の深い意味については不明な点もあり,現在も研究を続けている.この結果のみならず,研究の過程において現れる等式はセルバーグ跡公式の証明に応用できると思われる.これについても研究を続けている.
上に述べたウィナー汎関数からラプラス法を用いてブラウン運動の最大値過程が得られ,最大値過程に関するレヴィ,ピットマンの定理の類似,拡張を示すことができる.そこでは逆ガウス分布が重要な役割を果たす.今年度は,この役割が見やすい形で結果を定式化して証明し発表した.また,ピットマンの定理と同様我々の拡張においても,考える確率過程の張るフィルトレーションはもとのブラウン運動のものより小さいことが分かる.その原因に関して詳しく述べ,ウィナー空間上の非線形変換に関する測度の変換公式であるラメール・楠岡の公式の具体例を使った結果の別証明とともに発表した.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Hiroyuki Matsumoto: "A relationship between Brownian motions with opposite drifts via certain enlargements of the Brownian filtrations"Osaka J. Math.. 38. 383-398 (2001)

  • [文献書誌] Hiroyuki Matsumoto: "An analogue of Pitman's 2M-X theorem for exponential Brownian functionals, Part II : the role of generalized inverse Gaussian distributive"Nagoya Math. J.. 162. 65-86 (2001)

  • [文献書誌] Larbi Alili: "On a triplet of exponential Brownian functionals"Seminar de Probabilit'es. 35. 396-415 (2001)

  • [文献書誌] Catherine Donati-Martin: "Some absolute continuity relationships for certain anticipative transformations of geometric Brownian motions"Publ. RIMS Kyoto Univ.. 37. 295-326 (2001)

  • [文献書誌] Hiroyuki Matsumoto: "Closed form formulae for the heat kernels and the Green functions for the Laplacians on symmetric spaces of rank one"Bull. de Sciences Math'ematiques. 125. 553-581 (2001)

  • [文献書誌] Hideaki Uemura: "Substitution to parametrized generalized Wiener functionals and pinned Brownian local times"Bull. de. Sciences Math'ematiques. 125. 457-479 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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