研究概要 |
本研究課題に関連して13年度は,離散可積分系と双直交多項式との関連について考察した。特に、前年度までに得られた結果と離散可積分系の理論を用い,離散Hungry Lotka-Volterra方程式の半無限格子解とN(【greater than or equal】3)項間の漸化式を満たす直交多項式との関係を明らかにした.またここで現れる離散方程式は,2次元戸田ヒエラルキーの離散化である.特にこの場合は任意の間隔を差分間隔とする不当間隔離散可積分系が導出されている.離散可積分系の特徴である解の表記が可能であり,Lax-pairを持つということを用いることにより,離散ロトカ・ボルテラ方程式と行列の特異値との関連を明らかにした.この結果を用いた特異値計算アルゴリズムの開発に対する理論的支援がなされている また、離散方程式の導出に関連して,ソリトン解がパフィアンで表されるタイプについて,いくつかの新しい可積分な方程式の導出がなされている.ここでは主に,戸田方程式やKdV方程式のパフィアン化を議論した。さらに、代表的な超離散ソリトン系であるソリトンセルオートマトンが,ある拡張された戸田分子方程式の超離散化によって得られる事実に基づき,ソリトンセルオートマトンの保存量を求めることに成功した.
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