研究課題/領域番号 |
12640124
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
BRENDLE JORG 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (70301851)
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研究分担者 |
加茂 静夫 大坂府立大学, 総合科学部, 教授 (30128764)
江田 勝哉 早稲田大学, 理工学部, 教授 (90015826)
高橋 譲嗣 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (30197149)
角田 譲 神戸大学, 工学部, 教授 (50031365)
渕野 昌 北見工業大学, 工学部, 教授 (30292098)
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キーワード | 強制法の理論 / 無限組み合わせ論 / 実数上の集合論 / 連続体の基数不変量 |
研究概要 |
平成12年度は、基数不変量と反復強制法の理論の関係及びその代数学への応用についての研究を行った。特に、A.Blassが発展させたevasionとpredictionという組み合わせ論的概念に関する基数不変量を調べた。研究の概略は以下の通りである。 (1)完全集合公理。濃度がκ以上であり、実数部分集合族Fに属する任意の集合に対して、完全部分集合が存在することを、PSP(κ,F)が成り立つという。G(N_1)を濃度がN_1以下である開集合族の共通部分の族とする。連続体仮説を仮定し、countable supportを用いる反復法でSacks実数をN_2個付け加えると、generic拡大でPSP(N_2,G(N_1))が成り立つことを証明した。一方、その強制法がω^ω-boundingであるから、dominating number dがN_1となり、従ってPSP(N_1,G(N_1))が成り立たない。この結果は、いくつかの適当な公理を仮定するとc=N_2が成り立つというGodelの不完全な論法との関係があり、P.LarsonとS.Todorcevicとの"Revisiting Godel's argument for the true power of the continuum"という共同論文で発表の予定である。 (2)Evasionとpredictionに関する基数不変量。π:2^<<ω>→2をpredictorと呼ぶ。kを自然数とし、xを実数(2^ωの元)とすると、x(n+i)=π(x|n+i)を満たすi<kが存在しないnが有限にしか存在しないとき、πがxをk-constantに予言する(predict)という。基数不変量の一つであるconstant prediction number v(2)は、任意の実数xに対して、xをk-constantに予言するπが存在するようなpredictorπの最小の族の濃度として定義される。bをunbounding numberとするとき、b【less than or equal】v(2)を示し、加茂の問題に答えた。他の関連する結果も得り、共に論文"Constant prediction and dominating reals"で発表の予定である。又、S.Shelahとの共同研究で、異なるkに対するk-constant prediction numberが異なる値をとることが無矛盾であることを証明し、共同論文"Constant prediction and fragments of MA(σ-linked)"として発表の予定である。更に、江田との議論で、Specker phenomenonを示すJordan群の最小部分群の濃度をe(J)とし、seをSpecker-Eda numberとするとき、e(J)>seの無矛盾を証明した。
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