研究課題/領域番号 |
12640125
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
富崎 松代 奈良女子大学, 理学部, 教授 (50093977)
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研究分担者 |
篠田 正人 奈良女子大学, 理学部, 講師 (50271044)
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キーワード | ディリクレ形式 / 拡散過程 / bi-generalized diffusion / distorted Brownian motion / スペクトル / パーコレーション / シェルピンスキーカーペット / 相転移現象 |
研究概要 |
ディリクレ形式の基礎測度が退化するだけでなく、同時にエネルギーが退化していく場合の確率過程の収束の状態を見るために、1次元のdistorted Brownian motionの列の収束の状態について考察した。ある種のグラフ上でこれらの列を見れば必ず収束する部分列を取り出すことが出来る。ここでいう収束とは、推移確率密度関数の各点収束のことである。この場合、極限過程はgeneralized diffusionの形であることは期待できない。極めて不思議な現象が観測される。 パーコレーションの研究はこれまで主にd次元格子において問題設定がなされ、臨界点近くにおける相転移現象について議論されてきた。スケーリング則、繰り込み群などを考えるにはグラフの平行移動不変性よりも自己相似性が重要であると考えられる。そこで、フラクタル的なグラフにおいてパーコレーションを考え、自己相似なグラフと相転移現象の関係を調べることとした。本研究では一般化されたシェルピンスキーカーペットグラフの族を2次元格子グラフから再帰的な規則に従い辺を取り除くことにより構成し、研究の第一歩としてグラフを構成する規則と自明でない相転移現象の有無(ここでは臨界確率が真に1より小さいかどうかという意味)の関係を考察した。なお、グラフの構成における再帰的な規則は、N×Nの図形の部分集合によって表現される。例えば、最も代表的なカーペットは3×3の図形から真ん中の1つを取り除いたものと対応する。方向性のないパーコレーションについて、ある条件の下で自明でない相転移が存在することを示した。また、相転移の存在のためのいくつかの必要条件も求めた。方向性のあるパーコレーションについては、特に図形が対称性を持つ場合において考察し、図形の取り除く部分が一定の割合以上あれば自明でない相転移が存在しないことを示した。
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