研究課題/領域番号 |
12640131
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
高田 佳和 熊本大学, 工学部, 教授 (70114098)
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研究分担者 |
岩佐 学 熊本大学, 工学部, 助教授 (30232648)
内藤 幸一郎 熊本大学, 工学部, 教授 (10164104)
大島 洋一 熊本大学, 工学部, 教授 (20040404)
角田 法也 熊本大学, 工学部, 講師 (80185884)
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キーワード | LINEX損失関数 / ベイズ逐次推定 / 漸近有効性 / 非許容性 |
研究概要 |
本年度の研究計画は、一母数指数型分布族を仮定し、その平均のベイズ逐次推定問題、経験ベイズ逐次推定問題をLINEX損失関数のもとで考察することであった。先ず事前分布としては共役事前分布の場合についてのベイズ逐次推定問題について研究を行った。しかし、ベイズ逐次推定方法は存在するが、少数の例外を除いて、その具体的な構成は困難である。そのため、漸近的にベイズ逐次推定方法と同等となる逐次推定方法の構成の研究を行った。特に、Bickel and Yahav(1967)によるAPO方式は、そのための一般的な方法として、広く用いられ、2乗損失誤差においては、Woodroofe(1981)が、その有効性を示している。本研究においても、APO方式による逐次推定方法の構成とその特性について研究を行った。まず、一般的な考察を行う前に、ポアソン分布の平均に関するAPO方式にもとづく逐次推定方法の構成とその性質について研究を行った。その成果として、その逐次推定方式は、ベイズ逐次推定方法と比較して、2次の漸近有効性を持つことを示すことができた。すなわち、ベイズ推定方法とのリスクの差は、漸近的に標本1個の抽出コストの差以下であることが分かった。しかしながら、その結果を一般の指数型分布族に拡張するためには、事後分布の漸近的特性等の性質を研究することが必要であることが分かり、本研究期間中には、その結果を得ることができなかった。 今後の研究の展開として、一般の指数型分布族の場合にもポアソン分布の場合に得られた結果が成立するかどうか。更に、事前分布を共役分布ではなく、一般の分布の場合についてはどうかが考えられる。又本年度は、ベイズ逐次推定方法に関する結果を踏まえて、経験ベイズ逐次推定問題についての研究も行う予定であったが、それも今後の研究課題である。
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