研究概要 |
本研究の目的は、多項測度と呼ばれるマルチフラクタル測度の一般化と対応する無限差分方程式系、関数方程式系についての数学的理論の整備、およびそのデジタル和問題への応用である。研究分担者は、それぞれの研究を進展させながら本研究に対しても意欲的に貢献している。本年度の研究で明らかになったことは以下の通りである。 1.p-進展開されたデジタル和問題に関しては、多項測度を用いた統一的な扱いが可能であることを解明し、その問題を解決した。この結果は、Muramoto,Okada,Sekiguchi and Shiota,Digital Sum Problems for the p-adic Expansion of Natural Numbers,Interdisciplinary Information Sciences Vol.6,No 2 pp.105-109(2000)に発表した。 2.1.の結果が、各ビットの情報を含むように従来のデジタル和を改良しても適用可能であることを解明した。これは現在発表準備中である。 3.2.の応用として、デジットのブロックの出現回数が、多項測度を用いてExplicitに表現出来ることを解明した。これについても現在発表準備中である。 本年度の研究で、パラメータの複素化、多重化による多項測度の一般化がデジタル和問題に有効であることを見出すことが出来た。今後、これらの測度に対応する無限差分方程式系、関数方程式系について解析し、デジタル和問題への応用に有効な理論の整備、構築を行っていく予定である。
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