本研究は、多項測度と呼ばれるマルチフラクタル測度の無限差分方程式系、関数方程式系の数学的な理論を整備し、P-進数に拡張されたデジタル和問題へ応用することを目的に進められた。研究代表者と分担者はそれぞれの研究を進展させながらも、定期的なセミナーの他、意見交換を密にして本研究に積極的に取り組んだ。その結果、本年度の研究で次の成果を得た。 1.デジットの情報を含んだデジタル和関数に対するデジタル和問題を多項測度を用いて解決した。この結果は「Generalized Digital Sum Problems for the p-adic Expansion」にまとめ現在投稿中である。この結果は他のデジタル和関数の解析に有効な道具となるが、 2.その応用として、ワードの出現回数のexplicitな表現を与えた。この結果は「An Explicit Formula of Subblock Occurrences for the p-adic Expansion」にまとめInterdisciplinary Information Sciencesから発表される予定である。 3.多項測度の分布関数を複素係数に一般化し、対応する無限差分方程式系、関数方程式系を解析し、3の倍数に関するCoquetの和公式の別表現を与えた。この結果は「A Generalization of the multinomial measure and its application to the digital sum problems : The number of binary digits in a multiple of three」にまとめ投稿準備中である。
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