研究概要 |
雑音のあるq元対称通信路を用いて、あるq元[n,k,d]符号(すなわち、符号長n、次元k、最小距離dのq元線形符号)の符号語を送る場合、もっとも多くのエラーを訂正できる符号を求めるためには、すべての整数k,d,qに対して、次の問題Aを解けばよいことが知られている。 問題A(1)与えられた整数k,d,qに対して、q元[n,k,d]符号が存在するような整数nの最小値(これをn_q(k,d)で表す)を求めよ。ただし、qは素数または素数べきである。 (2)n=n_q(k,d)であるようなq元[n,k,d]符号を構成し、特徴付けをせよ。 平成12年度の科学研究費補助金(研究代表者濱田昇)を用いて次の結果を得たので報告します。 (1)k=6,d=16,q=3の場合にはn_3(6,16)=28or29であることが知られている。論文Hamada et.al[1]で、3元[28,6,16]符号は存在しないことを示し、n_3(6,16)=29であることを示した。 (2)k=6,d=63,q=3の場合にはn_3(6,16)=97or98であることが知られている。論文Hamada,Helleseth[4]で3元[97,6,63]符号は存在しないことを示し、n_3(6,63)=98であることを示した。 (3)k=6,d=104,q=3の場合にはn_3(6,104)=158or159であることが知られている。論文Hamada,Helleseth[2]で3元[158,6,104]符号は存在しないことを示しn_3(6,104)=159であることを示した。 (4)同様な方法を用いて、論文Hamada,Helleseth[2]で、n_3(6,179)=271,n_3(6,205)=310が成り立つことを示した。また、n_3(6,d),1≦d≦243,に対してHamada and Watamori(1996)が与えたlower boundとupper boundを最近の結果を用いて、論文Hamada,Helleseth[2]において更新した。
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