研究概要 |
本研究の目的は、非対称解の有無、そしてもし存在するならその発生のメカニズム、を確かめることである。非対称解の有無に関しては理論的には未解決であるが、J.A.Zufiria('87,'88)が数値計算によって求めた非対称解の例がある。しかし我々は別のアルゴリズムを用いて数値シミュレーションしたところ、対称性を破壊するような(非対称解につながる)分岐点を見付けることができなかった。そこでそれを徹底的に確かめてみたい、というのが狙いである。 具体的な研究計画は、下記のとうりであった。 1.上記アルゴリズムによる数値実験の継続。さらに別のアルゴリズムによる数値実験も行う。 2.別のアプローチを考える。 1.については計画通り数値実験をおこなっているが、非対称解は得られていない。モード数の高いところでの計算であること、複雑な分岐構造であること、などの理由で計算には時間がかかる。しかし一方我々は、非対称解は存在しないのではないか?という見解を持ち始めている。では非対称解が存在しないことを、数値計算によって裏付けるにはどうすればよいか。を考慮するとともに、3.の別のアプローチ方法も試みている。数値計算量、計算データが膨大であるため、より高速のパソコンと容量の大きいハードディスクや記録媒体が必須である。そのため今年度の研究経費は、主としてこれらの購入にあてた。
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