研究概要 |
イルクーツクのバランディン氏との共同研究として始めた,3次元空間に分布したベクトル場の数小ない方向からの内積投影データに基づいて,元のベクトル場のソレノイダル部分を再構成するという少量データトモグラフィの問題を,ベクトル型球面調和函和展開を用いて解決する再構成理論について.長野の逆問題国際会議における理論的な部分の発表が会議の論文集に印刷された.その数値実験による検証はまもなく完成し,理論的部分と一緒にまとめて発表する予定である.鈴木素子氏が発見した最大曲線上の代数幾何符号をペリカーン-三浦による理論に基づき実装しカラー画像に組み込んだものを論文として発表した.この実装の電子透かしへの応用についても近々発表予定である.暗号プロトコルの実装として,公平なコイン投げ,その日本版である安全なじゃんけん,および3人参加のポーカーゲームを,ユニックスのソケット通信とX11上でグラフィカルに実装したものを情報通信セキュリティ大会で発表した.イタリアのブラッチ氏との共同研究として継続中の,代数函数の範囲でのD加群の同値問題の研究は近々論文としてまとめられる予定である.超函数の特異スペクトル理論の画像解析への応用に関する研究は,本計画で予定していた基礎理論とテスト画像に対する実験に続く,エッジ検出や指紋の特徴抽出への応用までの部分を終え,研究成果を近々論文として発表する予定である.
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