研究分担者 |
一瀬 孝 金沢大学, 理学部, 教授 (20024044)
藤本 坦孝 金沢大学, 理学部, 教授 (60023595)
北原 晴夫 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (60007119)
野口 潤次郎 東京大学, 数理科学研究科, 教授 (20033920)
加須栄 篤 金沢大学, 理学部, 教授 (40152657)
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研究概要 |
任意の正の実数P_1,…,P_sに対して,N次元複素ユークリッド空間C^n内の複素楕円体E=E(N ; N_1,…,N_s ; P_1,…,P_s)をE={(Z_1,…,Z_s)∈C^<n_1>×…×C^<n_s>|‖Z_1‖^<2P_1>+…+‖Z_s‖^<2P_s><1}と定義する.ただし,各N_jは自然数でN=N_1+・・・+N_sであり,‖・‖をユークリッドノルムとする.このとき,C^nの有界擬凸領域Dに対する基本予想「Dの正則自己同型群Aut(D)が非コンパクトであるならば,Dはある複素楕円体Eに双正則同値であろう.」の解決が我々の最終目標であり,その準備的研究として,与えられた有界擬凸領域DのAut(D)が非コンパクトで,ある列{φ}⊂Aut(D)とある点k_0∈Dに対してφ(k_0)→X_0∈∂Dとなっており,さらに点X_0の近くで∂Dがある複素楕円体Eの境界∂Eと一致する場合に,∂Dの構造を解明することが本年度の研究の主目的であった.このことに関連して,昨年度は球面型境界点を持つ複素楕円体Eはほとんどの場合にC^nの単体球体B^nに一致することを示し,Journ. of Korean Math. Soc. (2001)に印刷公表したが,本年度はラインハルト領域の正則自己同型群の研究に関するのと同様のテクニックを用いることにより,以下の結果を得た:MをN次元連結スタイン多様体とし,Mの正則自己同型群Aut(M)がスタイン多様体C^k×(C^*)^<n-k>の正則自己同型群Aut(C^k×(C^*)^<n-k>)と位相群として同型であるならば,MはC^k×(C^*)^<n-k>と双正則同値になる.なお,この結果は研究分担者の清水悟氏との共同研究として,印刷公表する予定である.
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