研究概要 |
平成12年度行った研究としては次の3つの分野を挙げることが出来る. 1.ヨルゲンセン群の研究. 2.ヨルゲンセン数の研究. 3.ピカール群の研究. 1.ヨルゲンセン群の研究.ヨルゲンセン数が1となる非初等的な離散群をヨルゲンセン群という.ヨルゲンセン群の2つのone-paramter familiesを考察し,その成果をアメリカ数学会の学術誌Contemporary Mathematicsで発表した.この中には,よく知られた古典的モジュラー群,ピカール群,8の次結び目群,ゲーリンク群などが含まれている.更に,放物型のヨルゲンセン群について考察した.すなわち,単位円周上のフアイバー内のヨルゲンセン群の分布を調べた.特に、新たにヨルゲンセン群の2つのone-paramter familiesを考察した。得られた結果は2000年8月UCLA(カリフォルニア州立大学・ロサンゼルス校)で開かれたアメリカ数学会(ミレニアム特別国際会議)で発表した.また,中国の山東大学における「第8回複素解析学国際会議」でも招待講演を行った.この結果は2001年3月に投稿を予定している. 2.ヨルゲンセン数の研究.8種類すべての実型古典的ショットキイ空間についてそのヨルゲンセン数の最良の下界を求めた.この結果は日本数学会の学術誌J.Math.Soc.Japanから2001年に発表される. 3.ピカール群の研究.ピカール群が2元生成群であることは以前に指摘したが,その基本領域を新たに構成しそれを用いてその2元による8つの関係式を求めた.この結果は,2000年9月の日本数学会及び12月の京都大学数理解析研究所での研究集会で発表した.また,この結果に関し2001年8月にベルリンでのISAAC国際会議において招待講演を行う予定である.
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