研究概要 |
平成12-13年度行った研究としては次の4つの分野を挙げることが出来る. 1.ヨルゲンセン群の研究.2.ヨルゲンセン数の研究.3.ピカール群の研究.4.ホワイトヘッドリンクの研究 1.ヨルゲンセン群の研究.ヨルゲンセン数が1となる非初等的な離散群をヨルゲンセン群という.ヨルゲンセン群の2つのone-paramter familiesを考察し,その成果をアメリカ数学会の学術誌Contemporary Mathematicsで発表した.更に,放物型のヨルゲンセン群について考察した.得られた結果は2000年8月UCLA(カリフォルニア州立大学・ロサンゼルス校)で開かれたアメリカ数学会(ミレニアム特別国際会議)で発表した.また,中国の山東大学における「第8回複素解析学国際会議」でも招待講演を行った.最近,two-parameterの放物型ヨルゲンセン群を殆どすべて発見した.その結果を2002年1月静岡での「不連続群研究集会」および2002年3月オレゴン大学(ユージン)で発表した. 2.ヨルゲンセン数の研究.8種類すべての実型古典的ショットキイ空間についてそのヨルゲンセン数の最良の下界を求めた.この結果は日本数学会の学術誌J.Math.Soc.Japanから2001年に発表された. 3.ピカール群の研究.ピカール群が2元生成群であることは以前に指摘したが,その基本領域を新たに構成しそれを用いてその2元による8つの関係式を求めた.この結果は,2000年9月の日本数学会及び12月の京都大学数理解析研究所での研究集会で発表した.更に2002年8月ベルリンでのISAAC国際会議において招待講演を行い、2002年そのProceedingsで論文として発表される. 4.ホワイトヘッドリンクの研究.ホワイトヘッドリンクのヨルゲンセン数が2であることを発見した.したがって,ホワイトヘッドリンクはヨルゲンセン群でないことが分かった.この結果は2001年12月の京都大学数理解析研究所での研究集会で発表した.また,2002年の国際集会でも発表する予定である.
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