研究分担者 |
上田 哲生 京都大学, 総合人間学部, 教授 (10127053)
上木 直昌 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助教授 (80211069)
加藤 信一 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (90114438)
宇敷 重広 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (10093197)
松木 敏彦 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (20157283)
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研究概要 |
1.K3曲面上の曲線族(線形系)から有限次元可積分系が得られることは従来から抽象的な形では知られていたが,K3曲面として楕円型fibrationをもつもの(楕円型K3曲面)を考えれば座標を用いて具体的に記述できる例が得られることがわかった.また,有理楕円曲面と呼ばれる代数曲面からも同様の例が得られた.これらの例は超楕円曲線を伴うという点で19世紀以来知られている古典的な可積分系に似ている. 2.Calogero-Moser系やRuijsenaars-Schneider系のうち有理型および双曲型・三角型と呼ばれるもののスペクトル曲線は有理曲線であることが知られている.これらの系についても,少なくとも古典論の範囲では,非有理的スペクトル曲線の場合と同様に変数分離法に基づく取り扱い(曲線あるいはそれを含む曲面の上の複数個の点の力学系としての記述)が可能なことがわかった. 3.等モノドロミー変形と可積分系・変数分離法の関係について新たな知見を得た.特に,2階常微分方程式の等モノドロミー変形については,変数分離の考え方によって従来の取り扱いが統一的・幾何学的に理解できることが明らかになった. 4.研究代表者は日本応用数理学会における講演(2000年10月)および東北大学における集中講義(2001年1月)で変数分離法を紹介した.
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