研究分担者 |
松木 敏彦 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (20157283)
加藤 信一 京都大学, 総合人間学部, 教授 (90114438)
上田 哲生 京都大学, 総合人間学部, 教授 (10127053)
上木 直昌 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助教授 (80211069)
浅野 潔 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (90026774)
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研究概要 |
1.dressing chainはPainleve方程式を特別な場合として含む重要な非線形微分方程式として知られている.この方程式は2次の正方行列によるLax表示をもち,それに付随するスペクトル曲線が超楕円曲線となる.このことによって,変数分離法の技法を適用し,格子の周期的境界条件のもとでdressing chainのHamilton表示を得ることができた. 2.トーラス上の行列型等モノドロミー変形の例としてSU(2)Calogero-Gaudin系を非自励系に直したものを取り上げ,変数分離法の技法を適用してHamilton形式への書き換えを行った.副産物として,この行列系とスカラー型等モノドロミー系との関係もわかった. 3.Inozemtsev系はCalogero-Moser系の古典可積分性を保つ変形であるが,ここではその量子論を考察し,結合定数の一つが離散的な特殊値をとる場合に部分的な可解性(準可解性)をもつことを見出した. 4.ある種の有理函数のモジュライ空間は可積分系の構造をもつことが知られている.この有理函数を三角函数や楕円函数に置き換えることによって新たな可積分系を構成した.また,これらの可積分系が変数分離法の極めて簡単なモデルを与えることも指摘した.
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