研究課題/領域番号 |
12640170
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎解析学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大鍛治 隆司 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20160426)
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研究分担者 |
重川 一郎 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00127234)
西田 孝明 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70026110)
井川 満 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80028191)
土居 伸一 筑波大学, 数学系, 助教授 (00243006)
谷口 雅彦 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50108974)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | シュレンディンガー方程式 / ディラック方程式 / マックスウエル方程式 / 固有値の非存在 / 強一意接続性 / 特異性の伝播 / 平滑化効果 / 超局所解析 |
研究概要 |
研究代表者大鍛治は偏微分方程式の基礎構造の内重要な2つ「解の一意接続問題」と「特異性の伝播問題」について考察した、まず前者については数理物理学における重要な各種の偏微分方程式に対する、強一意接続性および(無限遠点における一意接続性と捉えることができる)外部領域における作用素の固有値非存在についての研究を行った。後者については、量子力学におけるSchrodinger方程式に対するCauchy問題に対する解の特異性伝播の構造についての研究を行った。一意接続問題については、古典的Dirac作用素を含むある変数係数1階楕円型作用素(いわゆるDirac型作用素)や結晶光学における定常Maxwell方程式を考察の対象とした。このうちDirac作用素については、ドイツのKalf氏、山田修宣氏と共同研究を行い、その結果無限遠で発散するポテンシャルを持つ場合にDirac作用素が固有値を持たないための良い十分条件を求めることができた。また、一様でない非等方的媒質中における定常Maxwell方程式に対しても、同様の結果が成り立つことを示した。さらにDirac作用素の変数係数版にあたる、いわゆるDirac型作用素について先の共同研究の結果を拡張し、ゲージ不変な条件を求めることができた。証明の最終段階では、新たに確立したDirac型作用素に対する強一意接続性定理をもちいた。さらに、時間に依存しないStokes方程式に対する解の強一意接続性問題を考察し、Fabre-LebeauやRegbaoui達の既存の結果を大幅に改良することにも成功した。またこれらの研究と平行して、Schrodinger方程式に対するCauchy問題に対する解の特異性の伝播の構造についても考察を行った。その結果、Cordoba-feffermanによる波束変換(標準FBI変換)に着目し、その時間発展を解析する新しい方法を導入することにより、スカラーポテンシャルのみならず磁場ベクトルポテンシャルを持つSchrodinger方程式の解の詳細構造を解明することができた。また一般化された波束変換と超局所特異性との関連も明らかにした。
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