研究課題/領域番号 |
12640179
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
宇佐美 広介 広島大学, 総合科学部, 助教授 (90192509)
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研究分担者 |
内藤 学 愛媛大学, 理学部, 教授 (00106791)
吉田 清 広島大学, 総合科学部, 教授 (80033893)
柴田 徹太郎 広島大学, 総合科学部, 助教授 (90216010)
水田 義弘 広島大学, 総合科学部, 教授 (00093815)
内藤 雄基 神戸大学, 工学部, 助教授 (10231458)
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キーワード | 準線形常微分方程式 / リューヴィル型定理 / 変分固有値 / 振動 / 解の対称性 / 自己相似解 / 解の漸近挙動 / 数理生物学 |
研究概要 |
数理科学に現れる種々の微分方程式の解の定性的性質の解明が出来た。主な結果は次の通りである: 1.Emden-Fowler型方程式の一般化である2階準線形方程式の正値解の漸近挙動、特に漸近公式を精密な形で得ることが出来た。 2.連立非線形Poisson方程式系が非負値非自明解を持つためのある種の必要十分条件、及びそれらに対するLiouville型定理を確立した。証明の際には解の球面平均の満たす常微分不等式の解析が鍵となった。 3.半線形固有値問題を種々の拘束条件下で考察し、(変分)固有値と固有関数の漸近的性質、固有関数の形状の漸近的状態、固有関数の零点の個数の変化を解明した。 4.準線形楕円型方程式、特に退化Laplace方程式が無限遠点の近傍で正値解を持つためのある種の必要十分条件(いわゆる振動定理)を確立した。 5.ある種の半線形楕円型方程式の正値全域解の球対称性を示すことが出来た。これらの方程式の物理的に意味のある解は球対称性を有しているのでこの結果は当然のことではあるが、数学的に厳密に証明できたということが重要である。 6.走化性を有する粘菌類の増殖過程を記述する偏微分方程式系の解の定性的性質を明らかにした。特にその自己相似解に重点を置いて考察した。自己相似解はある楕円型方程式の解となるが、前項5の結果らによりそれが球対称となることが言える。そのことと、3の結果などを用いて解のパラメータに対する変化の様子を調べることが出来た。
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