研究概要 |
本年度の研究実績の第一は次のとおりである.Hardy-Littlewoodの最大値関数についてはすでにいくつかの論文の中でその成果を発表してきた。本年度はその応用と更なる発展を試みた。iterated maximal function M^k(f)=M(M^<κ-1>(f))についての荷重不等式を確立することができた。Young function Φ(t)及びΨ(t)によって構成され,荷重w(x)を持ったOrlicz空間をそれぞれL^Φ_w(R^n)及びL^Ψ_w(R^n)で表す。荷重Orlicz空間L^Φ_w(R^n)に属す任意の関数f(x)に関するiterated maximal function M^kf(x)が別の荷重Orlicz空間L^Ψ_w(R^n)に属すための必要十分条件にあたる不等式を見つけることができた。この結果は論文にまとめ海外の専門の数学雑誌に投稿中である。また,研究成果の第二は概収束のcontrol関数に関するものである。LebesgueのL^p空間を一般化したBanach function spaceの概念を更に拡張してmodular function spaceの概念を導入した。このmodular function spaceに属す関数列{fn(x);n【greater than or equal】1}が関数f(x)に収束するときのcontrol functionを決定する事ができた。この研究の中では絶対連続F-normの概念が重要な役割を果たしている。以上の結果は論文にまとめて現在投稿中である。又,分担者の安井は,可微分多様体の間の連続(又は可微分)写像がホモトピーの範囲で,又は同境(コボルディズム)の範囲で埋め込みに近似出来るための条件について研究した。更に埋め込みとR-bordantになるための代数的不変量について研究した。又,分担者の家本は,ω^2_1(ω^2_2)のmetacompact部分空間はparacompact(subparacompact)であることを示し,(ω_1+1)^2((ω_2+1)^2)のmetacompact部分空間でparacompact(subparacompact)でない例を構成した。
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