1.(正則パラメータを持つマイクロ関数のハルトーグス現象)正則パラメータを持つマイクロ関数(あるいは佐藤超関数)は、その正則パラメータに関して制限をとることができる。正則パラメータへの制限が全てゼロのマイクロ関数・佐藤超関数を与えるときに、もとの正則パラメータ付きのマイクロ関数・佐藤超関数がゼロであるかという自然な問題が生じる。この問題を肯定的に解決した。証明には、ラドン変換とフーリエ解析を相当深いレベルで用いる。この結果のおかげで、第2マイクロ関数でマイクロ関数で表示されるものとそうでないものをフーリエ変換で特徴付ける研究が進んだ。 2.(第2マイクロ関数のフーリエ変換による特徴付け)正則パラメータを持つマイクロ関数の層を、正則パラメータに関して佐藤の超局所化の操作を行うと、柏原の第2マイクロ関数の層が得られる。このゼロ切断への制限が第2超関数の層となる。対応する正則包合的な多様体ヘマイクロ関数の層を制限すると第2超関数の層の部分層となる。このギャップをフーリエ逆変換で特徴付ける研究を行った。実際、第2超関数のフーリエ逆変換は正則列と呼ぶ漸近展開列で書けることが示されている。今後は、微分方程式の解の漸近展開への応用も期待される。
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