研究概要 |
1.Emden-Fowler型の非線形楕円型偏微分方程式をn次元の単位球及び輪環領域の内部で考察する.この方程式の解で、n次直交群の閉部分群Gが作用するときに不変なものをG不変解と呼ぶ.球対称解はG不変解である.ここでは逆の問題について考察した.Gは直交群の閉部分群なので、単位球面上の変換群になっている.次のことが示された.G不変であり、かつ球対称でない解が存在するための必要十分条件は、Gが単位球面上で推移的でないことである. 2.2階劣線形楕円型偏微分方程式のnodal solution(零点をもつ球対称解)の存在と一意性についての定性的研究を行った.各自然数kに対して,ちょうどk個の零点を持つ球対称解の存在と一意性が成り立つための非線形項に対する必要十分条件が得られた.この結果は,楕円型偏微分方程式の球対称解が零点の個数によって一意に決定される事を示している.また,群不変解の存在問題を研究する際に非常に重要な情報を与えてくれる. 今年度はこれらの研究成果をまとめて数学雑誌に投稿し、また多くの研究集会において発表した.
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