研究概要 |
1.劣線形楕円型偏微分方程式に対して,非線形項が奇関数と限らない場合でも,解が無限に多く存在する事を証明した.これは,偏微分方程式に付随するラグランジェ汎関数が偶汎関数でない場合に対応している.ラグランジェ汎関数を偶汎関数からの摂動と考えることにより,汎関数の対称性をうまく利用して,解の多重存在を証明したものである.優線形楕円型偏微分方程式においては,類似の結果が知られているが,劣線形方程式では解の多重存在は,ほとんど研究されていない. 2.劣線形楕円型偏微分方程式をn次元単位球の内部で考察する.この方程式の解で,n次直交群の閉部分群Gが作用するときに不変なものをG不変解と呼ぶ.球対称解はG不変解である.ここでは逆の問題について考察し,次のことが示された.G不変であり,かつ球対称でない解が存在するための必要十分条件は,Gが単位球面上で推移的でないことである. 今年度はこれらの研究成果をまとめて数学雑誌に投稿し,またセミナーや談話会において発表した. 投稿雑誌 Journal of Differential Equations,186(No.1)(2002)299-343,R.Kajikiya Topological Methods in Nonlinear Analysis, To appear, R.Kajikiya
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