研究課題/領域番号 |
12640206
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
石毛 和弘 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (90272020)
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研究分担者 |
長田 博文 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (20177207)
三宅 正武 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (70019496)
名和 範人 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (90218066)
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キーワード | 熱方程式 / 爆発問題 / ノイマン条件 |
研究概要 |
今年度においては、固体燃料の燃焼問題から派生する、ある熱方程式の爆発問題について研究を行った。東京学芸大学助教授溝口紀子氏とともに、有界凸領域において、拡散係数が十分大きいときの準線形拡散方程式の爆発解の爆発点の特徴付けを、ノイマン境界条件の下で行った。解が爆発する場所は、0ではない第一固有値に対応する固有空間への初期の射影の最大点の近くで起こることが証明された。これは昨年度研究を行った、筒状領域での爆発点の特徴付けの研究の発展版であり、一般の有界凸領域においては、非定数第一固有関数の形状がより複雑になることから、その解析ははるかに難しくなっていた。 我々はこれらの難しさを克服するために、爆発時刻直前までの解の詳しい漸近展開を行い、それに基づき、解のエネルギーに関する評価を得た。さらに解が爆発するときの詳しい挙動を調べることを行い、0ではない第一固有値に対応する固有空間への初期の射影の最大点から離れたところでは解の爆発は起こらないことを証明した。ここでは、C.C.Poonによって最近になって得られた解の新しいエネルギーを参考に、さらに改良を加えたことも証明を完成できた大きな点でもあった。 また、上の研究においては、分担者である名和氏、三宅氏、長田氏のそれぞれの分野からの支援が重要な役割を為した。
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