研究課題/領域番号 |
12640209
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
長田 まりゑ 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (80030378)
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研究分担者 |
貞末 岳 大阪教育大学, 教育学部, 講師 (40324884)
中井 英一 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (60259900)
藤井 正俊 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (10030462)
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キーワード | 作用素環 / 自己同型写像 / エントロピー / エルゴード変換 / 非可換力学系 / 自由積 / 接合積 |
研究概要 |
エルゴード変換αに対する最も重要な不変量として、α-不変な測度φに依存する"力学的エントロピー"と測度に依存しない"位相的エントロピー"がある。この二つの概念は、非可換力学系の枠組みのなかで、作用素環上の自己同型写像αに対するCONNES-STORMER及びCONNES-NARNHOFER-THIRRINGによる"力学的エントロピーh_φ(α)"とVOICULESCU及びBROWNによる"位相的エントロピーht(α)"として、導入された。 非可換力学系を得る典型的構成法に、接合積構成と、制限自由積構成とがある。 当研究においては、このような構成法で与えられた環のその構成に密接に結びついた自己同型写像のエントロピー研究に重点をおいていくつかの結果を得た。 研究発表の項の最初に揚げた論文(1)においては、接合積から構成される環に対する有限時限近似的因子写像を詳細に調べ上げた。その応用として、純無限単純環の中心に位置するCUNTZ環のシフトの位相的エントロピーの値がゼロである事を示した。 このことより、無限個の生成元をもつ自由群の群環上の、生成元の変換から必然的に生ずる自己同型写像の位相的エントロピーは、ゼロであることが、判明した。この結果は、非従順型環における位相的エントロピーに関する最初の結果としての評価を得た。なお、この論文(1)の結果はBROWNとの共同研究により得た。 研究発表の項の二番目に揚げた論文においては、従順な群の自己同型写像に対して、エントロピー的不変量を定義して、(1)での接合積環上の自己同型写像に対するエントロピーに関する結果を拡張した。又、その応用として、エルゴード変換αのn重自由積α*α*・・・・.*αに対して、ht(α*α*・・・・.*α)=ht(α)が全ての自然数nに対して成立する事を示した。
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