研究課題/領域番号 |
12640211
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
柴田 徹太郎 広島大学, 総合科学部, 助教授 (90216010)
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研究分担者 |
田中 和永 早稲田大学, 理工学部, 教授 (20188288)
宇佐美 広介 広島大学, 総合科学部, 助教授 (90192509)
吉田 清 広島大学, 総合科学部, 教授 (80033893)
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キーワード | 固有値 / 変分法 / 楕円型方程式 / 非線形 |
研究概要 |
1.(1)ここ数年の我々の研究により、2つの固有値パラメーターを含む非線形微分方程式の固有値の漸近解析に関しては、変分法的アプローチが有力であることが判明している。まず、2つのパラメーターを含む非線形楕円型方程式の固有値問題が本来由来するところの、非線形シュレディンガー方程式及びsine-Gordon方程式に関連した固有値問題の固有値、固有関数の漸近解析に焦点を絞って研究を進めた。 (2)非線形シュレディンガー方程式に関連する、2つのパラメーターa,bを含む固有値問題については、変分法を用いてb=b(a)と表したときの、aが無限大に近づいたときの詳細な漸近公式を得た。 (3)sine-Gordon方程式に関連する、2つのパラメーターを含む固有値問題の固有関数の漸近解析については、まず、漸近的に内部遷移層が現れるような解をとらえる変分法の枠組みを用いて研究を遂行した。その結果、漸近的に、いくつかの内部遷移層が出現する固有関数が存在することが判明した。さらにその遷移層が現れる場所を特定することに成功した。また、解が漸近的に0に収束するような、変分法の枠組みが存在することも判明した。このことは、この方程式が、特異摂動の見地から考えて、非常に豊かな解の構造を持つことを意味する。 (4)これらの結果は、2つのパラメーターを含む方程式に関してはいままで知られていなかった。したがって、我々の研究はまさにこの方面における先駆的研究と位置づけることができよう。 2.1つの固有値パラメーターを含む非線形固有値問題に対しては、そのパラメーターと、解の2乗ノルムの間に成り立つ、精密な漸近公式を証明する事に成功した。この結果は、分岐理論と深く関わっており、来年度の我々の研究を進めていく上で、重要な位置を占めるものである。
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