研究課題
(V,o)を複素空間C^N内の正規孤立特異点とする。この孤立特異点と原点を中心とする半径εの超球との共通集合M=V∩S^<2N-1>_εを考える。このMは実奇数次元の非特異多様体のみならず複素空間C^Nより自然に導かれるCR構造を持つ。Rossiの定理によりこのCR構造から逆に正規孤立特異点が定まる。これゆえリンク上のCR構造の変形を考察すれば孤立特異点の変形は理解できる。最近、数理物理学でSeiberg-Witten不変量が発見され複素幾何学でもその有効さは示されつつあるがこの不変量と斎藤恭司氏のflat coordinateの関係が議論されてきた。斎藤恭司氏のflat coordinateは有理二重特異点(非常に最近は単純楕円型特異点でもOK、ともかくhypersauface isolated singularity)でしか定義されていない。筆者はこの事実は筆者達が以前Calabi-Yau多様体と類似した孤立特異点の変形に関する仕事で発見したZ^1空間(本来の変形空間のある部分空間)と同じでさらにこの空間はsimultaneous deformation(Artin component)と一致することを予想した。二重特異点では正しく(Michigan Math. Jに発表予定)さらにhypersurface isolated singularityではないJung-Hirzebruch型特異点でも予想が正しいことが証明された(2001年10月30日-11月6日の岡潔生誕100年の国際研究集会で発表された)。この部分は斎藤氏のアプローチでは全く不可能な部分である。
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