研究課題/領域番号 |
12640224
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
大域解析学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
山田 義雄 早稲田大学, 理工学部, 教授 (20111825)
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研究分担者 |
廣瀬 宗光 明治大学, 理工学部, 専任講師 (50287984)
田中 和永 早稲田大学, 理工学部, 教授 (20188288)
大谷 光春 早稲田大学, 理工学部, 教授 (30119656)
竹内 慎吾 学習院大学, 理学部, 助手 (00333021)
中島 主恵 東京水産大学, 助教授 (10318800)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | 反応拡散方程式 / 非線形拡散 / 大域解 / Lotka-Volterra型 / 正値定常解 / cross-diffusion |
研究概要 |
本研究において得られた研究成果は、次のような準線形拡散項を含む反応拡散方程式系 【numerical formula】 に対する定常問題と非定常問題に対するものに大別される。このシステムは同一領域で生存競争する2種類の生物の棲み分け現象を記述する数理モデルとして有名である。未知関数u, vは個体数密度を表わし、f, gはu, v間の相互作用を表し、Lotka-Volterra型の競合モデルまたはprey-predatorモデルを扱う。 (1)非線形拡散(cross-diffusion)を伴う上記モデルに対する非定常問題に対しては、時間大域解の存在に関する既知の結果は空間次元が2以下のケースに限られていた。本研究では、α,γ>0の場合、他の方程式の拡散項が線形(β=δ=0)ならば、空間次元や初期データの大きさと無関係に大域解が一意的に存在すことを示すことができた。うまくいった理由は、システムを準線形放物型方程式と半線形放物型方程式に分解し、各方程式についての基本解評価とself-diffusion項をフルに活用したアプリオリ評価を効果的に組み合わせた点にある。この方法はδ>0のケースにも適用することができ、空間次元が5以下の場合に大域解の一意的存在を示すことができた。 (2)上記モデルに対する定常問題について、正値定常解は共存解として数理生態学的に大きな意味があり、その個数を知ることは重要な問題である。本研究においては同次Dirichlet境界条件下、いかなる条件で複数個の共存解が存在しうるか、を集中的に調べた。その結果、線形拡散で相互作用が非常に大きい競合モデルや、非線形拡散(cross-diffusion)の効果が非常に大きいというprey-predatorモデルにおいて、複数個の共存解が存在し得る条件を明らかにすることに成功した。
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