研究分担者 |
森田 善久 龍谷大学, 理工学部, 教授 (10192783)
二宮 広和 龍谷大学, 理工学部, 講師 (90251610)
柳田 英二 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80174548)
池田 勉 龍谷大学, 理工学部, 教授 (50151296)
岡 宏枝 龍谷大学, 理工学部, 教授 (20215221)
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研究概要 |
本年度は,主として,研究目標の一つである非線形楕円型境界値問題の標準形について研究を行った. 半線形楕円型方程式の正値球対称解に関しては,ここ20年間いろんな領域,境界条件のもとで,個別にいろいろな結果が得られている.方程式や境界条件がわずかにかわるだけで全く別の計算を必要とすることがしばしばである.このように正値球対称解に限ったたとしても解の構造の解明は困難な問題である. 代表者四ツ谷と分担者柳田が協力し,次に述べる新たな知見を得た(2001年のJJIAM18巻に掲載決定).球対称な半線形楕円型方程式に対して,巧妙な変数変換を行うことにより,一つの標準形に帰着でき一見複雑にみえる様々な境界条件も,Dirichlet,Neumann,Robin境界条件と解釈できることを発見した.この結果を,既に1993年に得られたている柳田-四ツ谷の全空間での解の構造定理と結びつけることにより,従来の未知であった解の構造を明らかにできると同時に,解の構造の統一的な理解が可能となった.なお,この標準形は,特異解を含めた球対称解全体の構造を調べるための基礎となる計算手段を与える. 関連する話題として,スカラー曲率方程式においてスカラー曲率を定数からわずかに摂動するだけでもの解の構造が激変することの理由の解明,スカラー曲率方程式の解の不完全分岐の詳細な検討,反応拡散方程式の進行波の衝突等について,分担者の協力のもと研究も行い,多くの新しい知見を得た.
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